大人語について | Right Riot

2006年07月16日

大人語について

大人語についてのお話

「きんきんにとんとんにしたいのですが、ゴタゴタ続きでバタバタしておりましてカツカツだと
いうのが今の状態ですから、コミコミとなると無理無理やるしかないんですよねぇ…」
「なるほど、いっぱいいっぱいなんですね」


いきなりクイズです。
さて、この言葉はどんな意味で、誰が使うのでしょうか?
一回聞いただけでは、「は?大丈夫ですか?」と聞き返してしまいそうな言葉です。


もうなんとなく想像はついていると思いますが、そうです、いわゆる「大人語」というやつです。
今回は、糸井重里さん著の「オトナ語の謎。」をフューチャーして書いていきたいと思います。

オトナ語の謎。

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さて、先程の大人語の訳ですが、
「近いうちにプラマイゼロにしたいんですが、せわしなくて腰が据えられないので
余裕がないというのが最新の情報です。全部ひっくるめてそのお値段にするには、
無理に無理を通すしかないですよねえ…」
「なるほど。限界を超えてしまっているんですね」

という感じになります。
じゃあ最初っからそう言えよ、と突っ込みたくなりますが、それはナンセンスです。
何故なら、大人になると大人語を使わなければ無礼になってしまう時が多いからです。
大人とは、実に厄介で不思議な生き物なのです。

就活の際、今まで知らなかった大人語に数多く出会いました。
特に自分はITを中心に回っていたんで、説明会ではわけのわからない言語が飛び交っていました。

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しかしなぜそんなに日本人の大人達は大人語を使いたがるのか。
それは、日本人ならではの"ダイレクトにいわないのが美しい"という文化があるからです。
なるべく、出来るかぎり厚いオブラートに包んで相手に不快感を与えないようにする。
それこそが日本人の美徳であり…


・・・なんて、そんな美しくまとまるものではないような気がします。
大人達は、ただかっこいいから、ただ使ったほうがよく聞こえるから使いたがるのです。
それはまるで、赤ん坊が覚えたての言葉を話したがるのと同じようにです。

そう考えれば、実に単純で実に馬鹿らしいことに思えます。
しかし、もちろん大人語は悪いことばかりではありません。
うまくつかえば、言いたいことをいうことが出来ます。
そして、使い方によっては本当に美しく用いれる場合だってあるんです。
例えば、

「最大公約数をとる」

という大人語があります。
これは「みんなの意見が最大限生かされるようにする」といった意味です。
短く、美しくまとまっている素晴らしい大人語だと思います。

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しかし、残念ながら大人語はやはりわけがわからない言葉のほうが多いのが現状です。
コンセンサス、バーター、ドラフト、アジェンダ、ペンディング等々・・・。
みなさんはこれらの大人語の意味がわかりますか?

「フラッシュでジャストなアイディアですが、このプロジェクトの現状をドラスティックに
ブレイクスルーするためのクリティカルなアイテムになりそうです」


これは糸井さんが作ったわざとらしい使用例ですが、あながち嘘でもないくらい
大人語は複雑化されつつあります。
海外の方が聞いたらちょっとこの国はおかしいんじゃないか、と思うかもしれません。
上の文の意味はみなさんへのおみやげです。
ちなみに、「おみやげ」もオトナ語ですよ☆

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大人になりたい、けれど大人語を使いこなしたくはない…。
そういう人は多いと思います。僕もそう思いますが、反面使いこなしたいと思うところもあります。
というのも、大人語を使いこなせない人は「礼儀知らず」となり大人として
認められないかもしれないからです。
日本人らしい風習といえますよね。
しかし、これが悪しき風習なのか守るべき風習なのかはよくわかりません。
きっと僕もいずれはバンバン使うようになっているのでしょう。

みなさんも大人語についてちょっと勉強してみてはいかがでしょうか?
そしてそれについて、みんなで「ブレスト」しましょう(笑)
糸井さんの本は読みやすくて、本当に面白いです。
糸井さんのコピーライティングはとても参考になります。
僕もそんな風に人をひきつける文を書ける人になるべく頑張っていこうと思います。

それでは今回はこの辺で!


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Posted by fkd at 12:42│Comments(0) book
 
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