Right Riot | 邦楽、サッカー、映画、猫などが好きなfkdが好き勝手に綴るブログ › memory › Fountain of memory 1 [磯前君]
2005年10月26日
Fountain of memory 1 [磯前君]
小学生の頃、俺にはなぜか弟子がいた。磯前君という男の子だった。
彼は別にホモだったわけではない。本当に俺をリスペクトしていたのだった。
小学生の俺は生徒会に所属していて、成績も結構優秀で、
なかなか面白い学級新聞なんかを毎週書いていたりいてたもんだから
自分で言うのもあれだけど人望も厚かったと思う。
でそんな俺にある日、前から仲良しだった磯前君という奴が弟子入りを願ってきた。
「やっくんマン(注:俺のことです。)、弟子にしてください!」
「うむ、じゃあお前は今日から弟子だ!毎日帰りの会の前にサインをもらいにこい!」
磯前は言葉どおり毎日帰りの会前に俺のところに『やっくんマンシート』を持ってきて
サインをそれにしてあげた。シートとはいってもただの折り紙の裏だ。
しかしただサインをするだけではつまらない・・・
そう考えた俺は、サイン代わりに暗号を送ることを思いついた。弟子と師匠にだけ
わかる暗号を一日ちょっとずつ、約30日あげ続けた。
ある日、膨大な量になった暗号を磯前は丸暗記してきた。
一日10文字くらいであったから、、約300字のまったく規則性のない言葉を
磯前はなんなく暗唱していく。だから毎日帰りの会の前にそれを暗唱させることにした。
本当に磯前は俺の弟子だったのだ。誰も疑えないくらいの師弟関係がそこにはあった。
俺はそんなある日、俺も暗号を覚えようとがんばってみた。
が、そう簡単に覚えられる量ではなく、不可能だった。
(磯前すげえなぁ・・・あれ、磯前ってバカじゃなかったっけ??)
そう、磯前は勉強があまりできなかった。
というかバカだったのだ。うんていから落ちて腕を骨折したり、
少年アシベのゴマちゃんの真似をいっつもしていたり、用務員のおじさんの野田さんと
毎週競馬新聞を買って予想していたり、口癖は「アオン、アオン、ヤックンマン」で
あったりと、一風変わった男だった。
だが、ポテンシャルはすごかった。
彼の考えることは突拍子もない、誰も考え付かないようなことが多かった。
だから磯前の周りにはいつもたくさんの人がいた。いわゆるカリスマ性があったのだろう。
世の中勉強だけではないんだな、と俺は弟子から教わっていた。
彼には人生の楽しみ方、楽しませ方が自然に備わっていた。
磯前はある日転校してしまった。故郷の水戸に帰ったのだった。
それから、多少手紙のやりとりはあったものの気がつけば連絡はとらなくなっていった。
まだあの暗号は覚えているかな?俺は少ししか覚えていない。
「アオロンヤックンロシシシルマコーローリンリン・・・・」
うーん、こんな感じだったかなぁ。
しかし磯前のことは忘れないだろう。
たしか磯前はずっと考古学者になりかがっていたはずだ。
彼なら優秀な考古学者になれるはずだ。いや、もっと大きな事をやらかすかもしれない。
もしかしたらそんなことないのかもしれないけど、
今は遠く離れた場所にいる弟子に負けてなるものか、と師匠なりにがんばっていくつもりだ。
俺は彼から教わったことを今になってようやく理解し始めている。
彼はこんなことがいいたかったわけじゃないだろう。
単純にその瞬間瞬間を楽しんでいたんだろう。
しかしそんな風景を見れたことは、俺にとっては大事な経験となって
いま俺の血の一部になっている。
磯前、元気でやってるかい?俺は元気で頑張ってるぞ。
彼は別にホモだったわけではない。本当に俺をリスペクトしていたのだった。
小学生の俺は生徒会に所属していて、成績も結構優秀で、
なかなか面白い学級新聞なんかを毎週書いていたりいてたもんだから
自分で言うのもあれだけど人望も厚かったと思う。
でそんな俺にある日、前から仲良しだった磯前君という奴が弟子入りを願ってきた。
「やっくんマン(注:俺のことです。)、弟子にしてください!」
「うむ、じゃあお前は今日から弟子だ!毎日帰りの会の前にサインをもらいにこい!」
磯前は言葉どおり毎日帰りの会前に俺のところに『やっくんマンシート』を持ってきて
サインをそれにしてあげた。シートとはいってもただの折り紙の裏だ。
しかしただサインをするだけではつまらない・・・
そう考えた俺は、サイン代わりに暗号を送ることを思いついた。弟子と師匠にだけ
わかる暗号を一日ちょっとずつ、約30日あげ続けた。
ある日、膨大な量になった暗号を磯前は丸暗記してきた。
一日10文字くらいであったから、、約300字のまったく規則性のない言葉を
磯前はなんなく暗唱していく。だから毎日帰りの会の前にそれを暗唱させることにした。
本当に磯前は俺の弟子だったのだ。誰も疑えないくらいの師弟関係がそこにはあった。
俺はそんなある日、俺も暗号を覚えようとがんばってみた。
が、そう簡単に覚えられる量ではなく、不可能だった。
(磯前すげえなぁ・・・あれ、磯前ってバカじゃなかったっけ??)
そう、磯前は勉強があまりできなかった。
というかバカだったのだ。うんていから落ちて腕を骨折したり、
少年アシベのゴマちゃんの真似をいっつもしていたり、用務員のおじさんの野田さんと
毎週競馬新聞を買って予想していたり、口癖は「アオン、アオン、ヤックンマン」で
あったりと、一風変わった男だった。
だが、ポテンシャルはすごかった。
彼の考えることは突拍子もない、誰も考え付かないようなことが多かった。
だから磯前の周りにはいつもたくさんの人がいた。いわゆるカリスマ性があったのだろう。
世の中勉強だけではないんだな、と俺は弟子から教わっていた。
彼には人生の楽しみ方、楽しませ方が自然に備わっていた。
磯前はある日転校してしまった。故郷の水戸に帰ったのだった。
それから、多少手紙のやりとりはあったものの気がつけば連絡はとらなくなっていった。
まだあの暗号は覚えているかな?俺は少ししか覚えていない。
「アオロンヤックンロシシシルマコーローリンリン・・・・」
うーん、こんな感じだったかなぁ。
しかし磯前のことは忘れないだろう。
たしか磯前はずっと考古学者になりかがっていたはずだ。
彼なら優秀な考古学者になれるはずだ。いや、もっと大きな事をやらかすかもしれない。
もしかしたらそんなことないのかもしれないけど、
今は遠く離れた場所にいる弟子に負けてなるものか、と師匠なりにがんばっていくつもりだ。
俺は彼から教わったことを今になってようやく理解し始めている。
彼はこんなことがいいたかったわけじゃないだろう。
単純にその瞬間瞬間を楽しんでいたんだろう。
しかしそんな風景を見れたことは、俺にとっては大事な経験となって
いま俺の血の一部になっている。
磯前、元気でやってるかい?俺は元気で頑張ってるぞ。
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Posted by fkd at 23:20│Comments(0)
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