広告の理想形『Perfume DANSING CLOCK』 | Right Riot

2008年12月12日

広告の理想形『Perfume DANSING CLOCK』

主にテレビCM、ラジオCM、新聞広告を扱っている
某外資系広告代理店のクリエイティブディレクターさんのブログ(ここ)にて、
広告に関する興味深い記事がありました。

なるほどな、これはつまりはWebサイト制作にもつながるな、
と妙に納得しました。

以下、その記事を抜粋です。(一部勝手に装飾)

テレビにしたって、新聞にしたって、ウェブにしたって、
所詮広告はおじゃま虫。
広告なんてなかったほうがいいに決まっています。
例えば映画館で映画を見ているときに、
物語の途中でCMが入ったりすると興ざめですよね。

広告はおもしろくあらねばならない、ではなく、「おじゃま虫」たる広告はせめておもしろくないと失礼じゃないですか、という感じです。

広告は「おじゃま虫」だから、そのくらいしないと受け入れられないし、つまりは効果を生み出さない、という考え方をしています。

こういうのって、ある意味で広告の理想形だよなあ。-ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)より一部抜粋

どうせだったら面白く、美しく。
おじゃま虫なのだから、せめて面白く、美しく。

この二つは同じようで、大きく異なります。
後者には、危機感、責任感、焦燥感があるのです。
そして、これらの有無が、クリエイティブでは非常に重要です。

みなさんにもテスト前になってはじめて勉強をしはじめる、
ということが多々あったと思います。
人間は、追い込まれて初めて力を発揮できる生き物です。
危機感とかを忘れたまま仕事をしても、
天才でない限りはきっといい結果は残せないと思います。

制作者はいつしか自分本位になって、
消費者に面白いものをみせてやろうと考えてしまうようになる。
でも、それでは消費者は面白いと思ってくれません。
消費者が見て面白いと思ってくれるものを作る。
その心がけが危機感、焦燥感、責任感を産み、
いい結果を生み出します。

Perfumeの広告は、そんなおじゃま虫たる広告を、
非常に大胆かつ独創的な視点で面白く仕上げている、素晴らしい例です。
ご覧ください。


Perfumeの「Baby cruising Love/マカロニ」の広告『DANSING CLOCK』





このCMは、Perfumeの「Baby cruising Love/マカロニ」のテレビCMで、
スペースシャワーTVで放映されました。
(そのため、地上波で見れなかったのですね。)
DANSING CLOCK』なるこの広告は、曲に合わせて、Perfumeのお三方、
かしゆかさん、のっちさん、あ~ちゃんさんが
一言添えて時間をお知らせする構成になっています。

この広告のすごいところは、
プロモーションする曲がメインの構成になっていないのに、
プロモーションする曲がしっかり宣伝されている
というところです。

「Perfumeが曲に合わせて時間をお知らせしてくれるかわいい時報。」
視聴者の認識は、きっとこうです。
そう、メインは時報なのです。
(『Perfume、DANSING CLOCK!』と言っちゃっていますしね)

なのに、新曲のCMとしても十分な機能を果たしている。
こうしてyoutubeにあげられたり、
レビューされているわけですからね。

おじゃま虫であるはずの広告が、
面白いコンテンツにもなっている。
広告の効果も、もちろん持ち合わせている。
これは、広告の理想形としての要素を全て含んでいると言えます。

そもそも、消費者にCMと思わせていないところで、
この広告は素晴らしいと言い切れますよね。
Perfumeのファンが喜ぶ、いいところをついている広告です。
本当にお見事。。


誰も広告なんか好きじゃない、くらいの考えで作る


筆者は、最後にこう言っています。
広告をつくる人は、世の中の人はみんな広告が大嫌いだ、という前提でつくったほうがいいんじゃないかな。その中で、いかにして、広告を見てもらうのかを、なんかスパム的なベクトルではないところで追究したいな、と思っています。

最近はキャッチコピーでも「言いっぱなしコピー」が増えている、
という印象があります。
かっこよく、面白く何かを言おうとしているんだけど、
結局何が言いたいのかわからない・・・

これは、もっともやってはいけないことだと思います。
あえて難しく、あえて遠まわしにして考えてもらう・・・
それも技法のひとつではありますが、
結果伝わらなければ意味がありません。

伝えようという意識、熱意がなければ伝わらないのです。
あえてぼかして、みんなに考えてもらう、
なんてことは作り手のエゴにしかすぎないのです。

おじゃま虫たる広告、Webサイト、キャッチコピーは
せめて面白く、美しく。
制作者は、奢りを捨て一度原点に帰って考えなければなりませんね。

考えさせられる記事でした。

んちゃ。


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