完成度より逸脱度 | Right Riot

2008年11月07日

完成度より逸脱度

「巨人は嫌いだが、東京ドームは好きだ。」



インパクト、破壊力ともに凄まじいキャッチコピー。
1等賞はあげられないけど、
オーディエンス賞は確実に受賞できるであろう問題作である。

これは2004年の宣伝会議のキャッチコピー一般公募で、
最終選考まで残ったコピーのうちの一つだ。
個人的にはかなりお気に入りの作品。

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数年前のコピーであるので
今は風潮が大きく変わっているかもしれないが、
「もっと乱暴で荒削りのほうがいい」
という審査員の意見が多く見られた。

「コピーは完成度より逸脱度。」


という意見もあった。
確かに、言われてみればまとまっているコピーが多いかもしれない。
うまいこといってるなーと思うしすごい捻ってあるけど、
破壊力がそこまでないなーと。
僕はキャッチコピーが得意なわけでも上手い訳でもないが、
なるほどな、と妙に納得した。

というのも、僕がキャッチコピーを作ろうとしたとき、
下記のようなことばかり考えてしまうと思う。

  • きれいに、

  • うまいことを、

  • スマートに、

  • ・・・

これでは「まとまった」キャッチコピーは作れても、
「伝わる」キャッチコピーは作れないかもしれない。


きれいに、ではなく「伝えたいものを、伝える」



最近読んだ糸井重里さんの本にも書いてあったが、
目的を履き違えてはいけない。
キャッチコピーは製品やブランドなどの
「伝えたいものを、伝える」
という大命題があるのだ。
決して言われたことをただ伝えているだけの”まとまった”コピーを作れ、
という目的ではないのだ。

まとまっていなくても、
期待以上に読み手に言いたいことが伝わる。
これが求められている。

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これは今僕が勤めているWeb制作会社
全体に流れている風潮にも言えてしまう。

リスクヘッジにばかり目がいってしまい、
危険を避けた当たり障りのない提案。
小さくまとまっていて、言われたことを忠実にやるための提案。

面白みがないわりに割高で、
長所といえば実績と、空いている稼働くらいなものだ。
会社の規模が大きくなった分、仕方ないのかもしれないが
ベンチャー企業としてのプライドや動きの軽やかさはどこへやら。


完成度より逸脱度。



さあ、逸脱しようではないか。
完成を脱ぎ捨て、感性を研ぎ澄ませろ。

んちゃ。


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