樹木医・塚本こなみのお話
先日、NHKで放送されている
「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組で、
「樹木医・塚本こなみ」という特集が放送された。
番組の詳しい内容はこちらから。
樹木医とは、簡単に言えばその名の通り
『木のお医者さん』である。
環境の変化によってカビが侵食して腐ってしまったり、病気になってしまった木を発見し、
治療を的確な施す。そんな素敵な仕事が樹木医だ。
今回は、そんな樹木医という仕事を紹介するのではなく、女性初の樹木医として活躍している
塚本さんの生きる姿勢について書きたいと思う。
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塚本さんは、造園家である夫の妻であり、3人の子供の母である。
樹木医になる前は、夫の会社の手伝いはしていたが、妻として家事に勤しむ日々を過ごしていた。
しかし、夫の手伝いをしているうちに樹木に興味を持ちはじめる。
そして
「自分も何かをやってみたい」と思うようになる。
何も知らなかった塚本さんは、独学で一から勉強を始め43歳で樹木医になった。
ただがむしゃらに、前だけを向いて走った。
家事が満足に出来なくて、家族に怒られたときも合った。
でも、家族も、仕事も捨てずに彼女は走り続けた。
『深刻に考えない事が大事。止まらないことが大事。』
止まって考える。考えるために止まる。
どちらにせよ、考えてしまう。
だから、止まってはいけない。
だって、僕らは生きているんだから。
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ある日、塚本さんに大きな依頼が舞い込んだ。
「あしかがフラワーパーク名物の樹齢100年、500畳分の大藤を移植する」
という、前代未聞のプロジェクトだった。
彼女は悩んだ。
どうやったらこんな途方もないことが出来るのか。
引き受けなきゃ良かった。
何度も断ろうと思った。
だけど、彼女は走り続けた。
走りながら、悩み続けた。
そして、このプロジェクトを成功させた。
『悩みの先にしか、答えはない。』
どうしても譲れないものがあるんだったら、とことん悩め。
ただ、絶対に立ち止まって考えてはいけない。
決して、歩みを止めることなく、悩み続けろ。
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塚本さんはこう語る。
「樹木医は、咲かなくなってしまった花を「咲かせる」ことが目標なのではない。
花を
「咲かせ続ける」ことが目標なのだ。」
来年も、再来年も、100年後も花を咲かせ続けることが大事なのだと。
『熱意さえあれば、何歳からでもやり直せる。』
僕らは、木のように何百年も生きられない。
だから、木にとっての一年は僕らにとっての一日みたいなものだ。
明日も、明後日も、100日後も花を咲か続けられるように。
今より早い瞬間なんてないんだ。
僕らは手さえ挙げる勇気さえあれば、今すぐにだって枯れている花を咲かせられるはずだ。